第44 回 熊野古道・大辺路 田辺市富田 - 周参見  2005年11月17日


 6:30起床。部屋の窓から見る天気は快晴。しかし天気予報では
午後から雨の予報だった。週間予報では連日晴だったので、傘は
持ってきていない。予報にかかわらず傘は徒歩旅行には必携アイ
テムと再認識。
7時からの朝食バイキングに一番乗りし、昼食分まで食いだめ。
ご飯に十数種類のおかずにパンにオレンジジュース、コーヒーも
2杯飲み、満足。チェックアウトしてタクシーを呼んでもらう。
朝食バイキング付きで諸費込みの¥5,000。これは大満足。
 しかし、タクシーで昨日の続きである富田橋まで行ってもらうと、
¥2,660、白浜駅までが2千円弱なのでちょっと高い。
観光客はマイカーが多くなったため以前よりずいぶんバスの本数
が減ったらしい。白浜での交通手段は徒歩かタクシーと覚悟しなく
てはならない。


(街道マップ 「大辺路」 紀伊富田駅(白浜町) 〜 安居の渡し場跡 P4〜P5) (PDF)
大辺路で3箇所世界遺産に登録されている、その富田坂と仏坂を今日は歩く。
ゼンリンのパソコンから切り出した地図は、山中では役に立たない。街道マップが頼りだが、
世界遺産に登録されただけあって、この区間、全行程に渡って道標がきちんと整備されており、
迷わず歩ける。 事前の調査では、安居の渡し場の対岸までのルートがゼンリンのものには
記載されていず(細い地道は記載されていなくてもしかたがない。)本当に行けるのか心配したが、
この街道マップがあれば安心。 大辺路でも必携の資料である。
 8:00ちょうどに
富田橋からスタート。
富田郵便局の先で
右に曲がり、山沿い
に進む。
白浜町富田の集落
内で細い道がいくつ
か交差しており、
ちょっと分かりにくい。
 さっそく道を間違え
て国道に出てしまった。
大辺路街道の看板と、
手前には、水害時の
水位を示す石碑がある。
引き返して飛鳥橋を探す。

 『熊野古道 大辺路・
富田坂あと270m』
の道標。


飛鳥川を越えると、
『熊野古道・大辺路
街道』の看板が迎え
てくれる。





 草堂寺。臨済宗、円山
応挙と親交のあった当時
の住持が本堂の建立に
際し依頼した。
障壁画、屏風など応挙の
絵や、代わりに派遣され
た長沢芦雪の作品が多く
残る。






 草堂寺の南側の石垣に
沿って大辺路は進む。

石垣の終わりごろ
から地道に変わる。









 一里松跡
 (8:35)

落ち葉の積もる
道を歩く。









馬谷(うまんたに)
城跡山城跡を望む。












 地道の林道に入る。
(8:38)『発砲注意』の看板。
去年の中辺路は熊注意だった
が、大辺路では今は狩猟解禁
の時期。
11月15日〜2月15日がその
時期。
周囲の色とすぐに識別できるよう
な色のものを身につけた方が
安全。しかし、この日はハンター
一人とすれ違うも、発砲音は聞
かなかった。


(写真:左)
「林道終点までゆるやか
な道が続く」とマップに説明の
ある区間。

(写真:右)
林道終点からいきなり急な
坂が始まる。 (8:54)
富田坂、七曲がりの坂とも
言われる。





 勾配はきついが、白浜
方面の景色が木々の間
から見えてくるようになった。

 今日の予想気温は7度
〜15度と12月並の寒さだが、
フラノのシャツにベストだけで、
腕まくりをして歩く。汗ばむ
くらいの快適な気温。




 山の向こうにある半島が
白浜。その右手には田辺が
遠望できる。
(9:18)

登り坂は続く。








 山の日向になり日陰に
なり、七曲がりの登り坂は
続く。杉も多く植林されて
いるものの、落葉を見ても
おわかりのように、落葉樹
も多い。
街道沿いの森という視点
から言えば、中辺路よりも
大辺路の方がより往時の
姿を残していると言えよう。




 歩いていても、短い時間
に植物の様子が変化に富ん
でいることが分かる。
斜面の方角から、陽の
あたり具合、生育する
植物の種類や様子など、
多彩に彩られている。

これも日本独特の山の
美しさ。単調な自然美
の大陸風景とは、明ら
かに異なる。


 (写真:左)
 白浜
泊まったホテルは半島の先端
の方。半島根元の白い建物は
エクシブ白浜、アドベンチャー
ワールド。中央部の茶色の部分
は白浜空港。

 (写真:右)
 大辺路の起点がある田辺

いずれの撮影もズームを使用。


 (写真:左)
ズームなしでの撮影。
白浜と右手に田辺の街並みが
見える。


 登り坂も緩やかになってきた。
小型の糞が落ちていた。
猪のものか。
小型の猟犬2頭を連れたハンター
とすれ違う。



 峠茶屋跡 (9:49)
富田坂からここまで1時間強。
標高は350m。
不平等条約改正に尽力した
陸奥宗光もここで猪狩りの折り、
休憩したという。








 茶屋跡に残る割れた石臼。

 日当たりの良い平地も茶屋
跡を偲ばせる。











 歩いていると、土の香り、木の
香りと臭いも様々に変化する。


峠の茶屋跡から安居辻松峠
までなだらかな起伏が続く。







 木の間から山の向こうに
海も覗く。


























 登り坂の向こうに平地が見
えてきた。

安居(あご)辻松峠
(10:07)
登り坂から1時間20分ほど。
ここで、道はT字型になっており、
大辺路は安居渡し場方面へ
向けて、左へ直角に曲がる。






 ここから林道合流点までの
約200mほど、平坦な地道が
続く。










 景色を眺める余裕も楽しめる。
枯木灘が遠望できる。












 林道合流点
(10:13)

Y字型に道が分かれるが、
大辺路は右側の道を進む。

 ここからは下り坂








 下りの道は、ところどころ
コンクリートの路面だったり、
電柱があり、電線が張られて
いたりと、古道の雰囲気は
薄くなるが、景色は良い。




































 祝(しゅく)の滝 への分岐点
柵は向こうからくる車を止める
ためのもの。
人は柵の端から廻って、三ヶ川
のコンクリート橋を渡る。
(10:53)

 祝の滝へは寄らずにそのまま
大辺路を進む。



















 三ヶ川梵字塔 (10:57)













 曲がり角にある庚申塔
(11:07)








































 県道37号線と合流。
そこに明光バス・三ヶ川バス停
がある。
 (11:31)
 富田の集落から富田坂を越え、
バス停までが3時間半。
街道マップでは、
歩行距離14.7km
標準歩行時間 4時間35分
とあるから、時速4km程度で
歩いたことになる。


















 明光バス、時刻表。
歩行プランを立てるとき、今回は田辺の起点から歩き始めたが、
特にこだわらなければ、くろしお1号で白浜まで、白浜からバスか
タクシーに乗り、紀伊富田から歩き始めると、17:37発のバスで
三ヶ川バス停から日置方面へ抜けられる。
安居の渡し場まで歩くこともできる。しかし、時間をつぶせるような
店もないので、退屈するかもしれない。
JR日置からは18:11発上りで周参見か、18:40発下りで白浜
宿に戻ることになる。 いずれにしてもプラン的に厳しい。


 「世界遺産 熊野古道」の標識
本来の大辺路は県道37号線合流点で右折し、安居の渡し場跡へ
向かう。しかし今は舟の渡しはやっていないので、日置川の下流から
橋を渡って対岸の渡し場まで迂回することになる。
 結果的に、三ヶ川バス停から迂回路を通って、対岸の渡し場まで
は、ちょうど1時間かかった。
舟の渡しをやってくれたらなあ。500円までなら支払う価値はある
と思う。
 また、本日のコースでは、コンビニはもちろん、飲料の自動販売機
もないと思った方がいい。迂回路の口ヶ谷橋の手前に自販機が一台
あるのみで、次の仏坂を越えて、周参見の町中に入らないと自販機
は無い。前日に飲み物は一日分を用意しておいた方がいい。
ホテルの水を空いたペットボトルに入れて、それにお茶のティーパック
を入れておいたが、白浜の水がうまいので充分間に合った。

 安居の渡し場方面。日置川の上流方向を撮影。バス停からは15分
程度の道程。












(街道マップ 「大辺路」 仏坂 口ヶ谷バス停(日置川町) 〜 周参見駅(すさみ町) P6〜P7) (PDF)


 日置川に沿った県道を
を下流方向へ歩く。
小石の河原の向こうに口ヶ谷
橋が小さく見える。



 口ヶ谷橋近くにある、この
コース唯一と言える自販機。
ペットボトルが置いていない。




 口ヶ谷橋を渡る。
渡しのある上流方向を撮影。


日置川は驚くほどの透明度。
「富田の水」はミネラルウォーター
としても売っているが、このあたり
の清流の透明度から言っても
うなづける。





 電柱に道標があり、町道終点
までは迷う心配はない。












 口ヶ谷町道終点 (12:06)
ドラム缶には仏坂の反対側、
地主(じのし)神社で杖を返す
ようになっているが、街道歩き
にはステッキは必須アイテム。
ふらりと立ち寄った人向きの
サービス。

 さて、ここから地道が始まる。
途中、危険な箇所もあり、上り
の手前で引き返す人もあるので
はないだろうか。


 地道をしばらく進むと、斜面に
鉄棒に緑色のナイロンロープを
通した手すりが設けてある。











 川の直ぐ上の斜面の道で、
細く、足場の悪いところもあり、
崩れてわたれないところに
丸太を束ねて橋にしている箇所
もある。

 滑るとそのまま川へ落ちるので
気をつけて歩く。
途中、「く」の上がったり、手すり
もなかったりする。
対岸を見ると、この辺が渡しの
ような気もする。
















 途中、渡し場と勘違いしそうに
なったところもあったが、説明板
を見つけて一安心。
この説明板と道標が渡し場の
目印。
 (12:28)








 なんと、対岸には飾りだろうか、
渡し舟があった。
以前はロープを通して自分で
わたれるようにしてあったらしい
が、舟が使えたらいいのに。

 さっそく仏坂を上り始める。
木の階段がしばらく続くが、
じきに地道になる。勾配はきつく
息を切らしながら登って行く。


















 つづれ折れの急な登り坂は
桂松跡までの1kmで一気に
200mほど登ることになる。

 途中、安居の渡し場、仏坂
茶屋跡までのそれぞれの距離
を示した道標が案内してくれる。







 桂松跡 (13:01)
上り坂に30分かかった。












 仏坂茶屋跡 (13:05)













 大辺路と林道の交差する
ポイント。林道といっても
アスファルトで舗装されている。
渡って、木製の手すりのある
上り坂を上がる。
 (13:06)














 木々の間から周参見の町
が見える。


































 道標がしっかりしているので
迷う心配はない。

(写真下段)
周参見の町を見ながら休憩。
昨日朝、出がけに買った残りの
おにぎり1個が昼食。
腰掛けるところもなく、立ったまま
五分間食事休憩。
 下り坂が続く。
最も高いところで標高250m
だった。
















 徐々に標高が下がっていく。
山間に見える、周参見に続く
川は、太間川。











 入谷不動尊 (14:02)













 石畳が残っている。













 太間川にかかる入谷橋
の手前で地道は終わり、
そこからはアスファルト道が
続く。 (14:13)










 JRきのくに線が、太間川、県道に
沿って進む。
途中、すさみ交通の入谷バス停が
あった。 (14:28)
一日3便。しかも街道歩きに使えそうな
時間帯のすさみ駅行きは、17:05のみ
(10月15日〜4月9日まで)。
さらに、バス停は道路の片側にしかない
ので、バスが来たら合図しないと通り過ぎて
しまうだろう。
 ここまできたら周参見の町中までは1時間
10分程度の道程。







 大師堂
手すりのある坂道を登るが、
予定より早めに着いたので、
歴史民俗資料館を目当てに
先を急ぐ。
 階段の元に水道栓がある。


 松の本踏切 (14:48)
向こうに、梅干し工場、
コンクリート工場がある。



 コンクリート工場を過ぎ、
堀切踏切を左へ曲がり、集落
へ入る。











 太間川の北岸を下る。
鴨が泳いでいる。












 周参見王子神社 (15:04)

 拝殿に向かって左手に
歴史民俗資料館がある。
開館は、火曜、土曜日のみ
9時から16時、無料。
消えつつある昔の日用品など
を収集したもので、街道資料
はなさそうだった。
公民館に電話をすると開けて
もらえるらしい。



 明治の神道令で、合祀
された数多くの神社。
すべてこの王子神社に合祀
された。










 太間川を南岸へ渡る。
橋のたもとにスーパー、オオクワ
がある。ここで不足品と、明日の
仕入れをする。

 周参見小学校前の様子。
かつて代官所があった。





















スーパー、オオクワ
 アウター用の薄手の靴下
2足で¥500。
 夜食または明日の昼食用の
菓子パン3個。コーヒー牛乳。
明日の行程でもコンビニなど
補給ポイントは無いので、ここで
前日に仕入れておくこと。
弁当は駅前にあるらしいが、
面倒なので、パンにしておく。
飲み物も同様に自販機が無い
ので、ここで買っておくこと。
 バンドエイドは町中の薬局で
購入した。


 写真左の古い木造の家の
手前から路地に入る。


 萬福寺を過ぎて駅の先から
踏切で、駅を見に行く。








 駅を回り込み、正面からの
写真。 待合室には水槽が
設けてあり、名産の伊勢エビ
が飼ってある。
もしかして、晩飯に出てきたら
うれしい。
「いせえび祭り」の旗竿が期待
感を募らせる。






 民宿かわべを探す。
県道38号線と駅前の道が交差
する手前の袋小路を入ったところ
にあった。トリプルベッドのシングル
使用だが、他にスペースはない。
 16:06到着。
民宿にも、旅館タイプなどいろいろ
あるが、まさに民家宿泊という
感じのお宿。
ここもじゃらんから探した。




 ベランダに設けられた露天風呂
透明な硫黄の香りがする温泉。
白浜の泉質と似ている。
簾越しにJR線が見える。
ゆったりと温泉に浸かり疲れを
癒す。








 2食付きで¥7、650。夕食はこのほかにトンカツも出た。ビール(大)も注文。 (合計¥8,130)
仕事で長期宿泊のお客さんと和気藹々とした雰囲気で、親戚の家におじゃま
したような感じ。 ボジョレーヌーボーの解禁日で、買ってきたお客さんに
一杯お裾分けに預かる。 一人旅には、たまにはこういうのもいい。
夜食のパンも用意したが、食べきれないくらいの量の夕食で、その必要も
なかった。

 この日の歩行データ:
35,677歩 (しっかり歩行:24,250歩)
1,085Kcal (消費脂肪 74.2g) 距離:26.75km


(翌日へ続く)

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