第 29回 伊賀街道  伊賀上野−津   2004年10月25日

 伊賀街道は上野盆地から長野峠を越える全長約12里(50km)
の街道である。今回はこのコースを一気に伊賀上野から津まで一気
に歩く。
 新装備としてはアシックスのフィールドウォーカーIGSを初使用。
これで最大航続距離を延ばすもくろみである。
 文庫本サイズの地図にはこのエリアを収録されたものがなく、今回
も「みえ歴史街道」の詳細なマップが有力な助けになる。

 伊賀街道はもともと畿内と伊勢神宮を結ぶ参詣路だったが、藤堂
高虎が慶長13年(1608)に伊勢・伊賀へ移封されたときに、本城に
津を、伊賀上野に支城を置いてから津藩の官道ととして整備された。

 始発電車で家を出て、近鉄大阪線−伊賀線「広小路駅」を7:48に
出発した。

「みえ歴史街道」 リンク地図: (14)上野、(13)荒木B,A 

 かつては平田宿、上阿波宿(後の平松宿)、長野宿、前田宿(後の片田宿)と4つ
の宿場町があったが、今では宿泊できるところもないため、一気に津まで歩かなけ
ればならない。50kmといえば一日で歩けるかどうかぎりぎりの距離である。

マップ(14)上野 (上野市西明寺)

 伊賀街道は広小路駅を出てすぐの道を左へ進む。電柱には紅葉のディスプレイ、
法被を着た人が何人もすれ違う。「はて?」と思いつつ歩いていると、今日、10月
25日は上野天神秋祭りの日だった。
期せずしてお祭りの当日、しかも観光客もまだいない時間帯の地元の人が祭りの
用意をしているというタイミングでお祭り気分に触れることができた。
 今日は街道Walkingでも最長の部類にはいるコースをあるくが、さい先のよい
スタートをきることができた。

 山車の装飾の美麗さ、伝統を感じさせる古びた様子がいい。
控え所では地元の若衆が振る舞い酒を飲んでいる。
祭りは日常と一線を画す「ハレ」の舞台であることが伝わってくる風景だった。












































135)太神宮常夜燈 寛政11年(1769)
 このあたりまで街道風情の残る道がつづく。
朝の空気もすがすがしく、お祭りにも偶然出会えたし足取りは
軽い。










 マップ(13)荒木・B (西明寺〜上野市荒木)

 中瀬小学校前を振り返る。 (8:16)
ヘルメットを被った集団登校の小学生と朝の挨拶をする。

 写真左下)この先で服部川大橋の高架橋をくぐり、服部川沿い
の道を歩く。

 写真右下) 寺田橋の南岸、荒木
 131)荒木又右衛門生誕記念碑
 132)太神宮常夜燈
 133)大釜地蔵
道路の分岐するあたりにまとめてある。















 街道は寺田橋の北岸と南岸に2コースあるが、北岸は国道に吸収されて
いるので、南岸のコースをたどる。荒木を100mほど南下して、西へ曲がる。
「伊賀街道」の木製標識がある。

写真左下) 農道を道なりに進むと荒木集落がある。

写真右下) 須智荒木神社境内に建つ燈篭。





















マップ (13)荒木・A (上野市荒木)
 (8:38)

 荒木集落を過ぎるとまもなく、アスファルトも途切れ、土の道になる。
ここ何日か雨は降っていないはずだが、ぬかるみになっている。
おろしたての靴にさっそく泥を着けるのもためらわれ、川辺を歩くか、
北岸へ迂回しなおすか、しばし考える。
川辺へ降りる道があるが、地図ではその先この道と合流しないような
あいまいな表示になっており、いまさら遠回りも本日の行程を考えると
無駄。 ということでぬかるみ道を進んだ。





119)六地蔵













118)小石仏 (室町末期)

 車の轍の跡はあるものの、人通りも希な感じの荒れた道。
ぬかるみは雨のせいではなく、山の斜面からの湧き水によるもの
だった。
全体ではなく、所々が湧き水でぬかるんでいる。

左手に川の開けた景色があるのが救いで、夕方や夜には歩くのは
ためらわれる雰囲気の道。





竹に覆われた道もあれば、ぬかるんだ轍の跡の道もあり、
轍もない道に出た。
車が通った形跡があれば、徒歩で行けることは間違いない。
しかし、それが中断していれば最悪、道が無くなっていることも
ありうる。










轍もなくなり、この先、本当に通れる
のだろうか。


写真下2枚)
 やはり道は細くなっていた。
左手は服部川。
道は荒れているものの、通行には
支障ない程度。

ただし、夏場は草が生い茂り通行は
難しいかも。


















「みえ歴史街道」 リンク地図: (12)中之瀬、(11)平田宿B,A

 マップ(12)中之瀬 (中之瀬〜大山田村畑村)
 (9:05)
 中之瀬の集落に入るとアスファルト道になる。











 中之瀬橋を渡ると
川辺の平地が広がる。
遠く山々が見えるが、
そこがこの後の行程で
ある。
とりあえず視界が開け
気持ちよい。
農道脇に広がるススキ
が揺れる景色が美しい。





 農道の交差点に「伊賀街道」の木製標識。
直進し、真泥(みどろ)の集落を抜ける。

 写真下)川に沿って進む。川底が砂や小石ではなく、岩盤が流れ
で浸食された形状になっている。 珍しい。
真泥大橋を北岸へ渡る。








 (9:29)













 渡ってすぐに国道163号線があり、この街道でこの先、唯一の
コンビニがある。 弁当、飲み物など最後の補給ポイント。
街道は国道と分かれる。
写真中の左側へ分岐した道が街道で、約650mで再び国道と
合流する。

(9:29)







−−石碑より−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
旧伊賀街道
 津と上野を結ぶ藤堂藩の官道であったが、伊勢と今日、大和を結ぶ
地方道として、参宮客や行商人で通行も多かった。
芭蕉も四回通っているし、高山彦九郎、頼山陽、梁川星厳と吉田松陰ら
も通ったと記録に残っている。
 街道松の名残としての松並木は、「畑川原の松並木」として山田八景
にも画かれた名勝地であった。
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 マップ (11)平田宿・B (大山田村平田)
(9:48)
 国道163号線から旧道は左へ分岐している。
かつての宿場町の面影の残る平田の集落を進む。










「侍従御差遣記念碑」
 昭和17年6月30日、銃後の民情を視察のため差し遣わされた久松
定孝侍従を迎えて、村民感激し、固く奉公の誠を誓う、という内容が
裏面に刻まれている。
破却せずにちゃんと保存してあるところが偉い。

 写真左下) 西町だんじり小屋と王子社跡
祇園祭のときには御旅所になるという。
だんじり小屋は他にもあり、平田の町が歴史と伝統を守る町である
ことがうかがえる。




 連子格子の残る
街並み












100) 旅館 梅屋
今も営業しているらしい。













写真右)
95)東町だんじり小屋











 マップ (11)平田宿・A (平田〜大山田村中村)
 (10:05)
 植木神社
夏野植木神社祇園祭は三重県の指定無形民俗文化財


写真下)
神仏習合の名残りの鐘楼(左)
招魂碑。手前の石柱には陸軍の星マークがある。(右)
平田宿から出征された人々の慰霊碑。



















拝殿











−−−説明板より −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
植木神社祇園祭
 文永年間この地に宮柱太敷建て奉斎し、植木牛頭天王と称した。
四季の祭礼は盛大に執り行われ、中でも祇園会は、6月7日から14日まで真泥
の差出の宮を二の宮と定め、大竹に白幣を神璽として渡御し、猿楽、田楽等終日歌舞
を相務め、14日午刻還御し本祭を執行した。
慶長2年に一棟三扉の本殿を新築し、平田郷十ヶ村の惣社として崇敬され、祇園会例祭
には、二柄の御輿に平田町の山車三台、中島の献花や花太鼓等が供奉し八王子宮へ渡御
される。
現在は七月の最終土曜日を宵宮、翌日曜を本祭と定め、祇園囃子も賑やかに絢爛豪華に執
り行われている。
明治二年布告に依り植木神社と改称、明治七年五月郷社に列せられた。
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91)水神社の祠と、92)榎の大木

ここで平田郷を抜ける街道は国道に抜ける。
本来の街道はここを直進し、服部川を渡り、700mほどで
再び川を北岸に渡る。
しかし、往時の街道が通っていたころとはこのあたりの川の流れ
は直進していたのだろう。

現在では、川向こうの街道は消失しているため、渡らずに国道を
歩くこととする。





 (10:31)
 出後口バス停で小休止。おにぎりを食べる。
温泉センターへのバスを利用に来た地元のおじいさんに挨拶を
すると、どこまで歩いていくのか聞かれた。

国道は歩道もあり、交通量も少なく安全に歩ける。








左)向こうの山々が
これから向かう方向。


右)柿が色づいている。








「みえ歴史街道」 リンク地図:(10)広瀬・川北−(8)上阿波

 マップ (10)広瀬・川北 (大山田村川北〜下阿波)

 服部川の北岸を歩く。
(11:20)










左) 沈下橋













左)歩道の幅は狭く
なって来たが交通量
は少ない。

右)道が採石場を大
きく迂回した先で、旧道
は川沿いに行く。
写真のカーブミラーの
方の道を行く。





 マップ (9)平松宿 (大山田村下阿波〜平松)

71) 祠
72) 道標 「右なら道」










 見えづらいが、川が写真左側と真ん中の2本、
平行して流れ込んでいる。












川に沿っていた街道は須原で国道に一時合流する。
橋を渡ってすぐに左へ川沿いに向かう。













川の南岸を行く。

途中、朽ちかけた
萱葺屋根の家がある。


この先で国道に出て
横断してすぐに右側の
道に入るのが街道




 集落の中を抜けると再び国道に出る。
阿波郵便局の方へ渡る。

 ここでも郵便局は街道の目印となる。










 郵便局から20mほどで左へ、川沿いに進む道が街道。
写真ではセンターラインのある道が国道163号線。
街道は左へは曲がる。











写真左)
 「伊賀街道」の標識

写真右)
 左写真の道の曲がり
角にあった平松宿の
説明板

 (12:07)





 平松宿の街並み













写真左)
 60)常夜燈 慶応2年(1866)

写真右)
 街道は平松宿の先で直角に曲がる。
写真中央の交差点を左から手前に歩き
振り返って撮影。
道の両脇に石柱がある。
棒を通して人通りを止めるのか、用途不明。





 マップ (8)上阿波 (大山田村平松〜汁付)

59) 天眞大御神
 平松宿の出口、国道との合流点にある。

 国道を30mほどでまた左へ分岐する。









分岐した後の細い道













写真左)
 56)別府橋

写真右)
 その先の国道との
合流点。
国道へ出て左へ進む。






 元町の集落を国道に沿って進む。
道路標識では、津 23km となっている。

700mほど先で高良城(こおろぎ)橋を渡ってすぐに見える赤い屋根
の弁天堂で小休止にする。










 弁天堂

 昼食のコンビニ弁当
街道(国道)を下に望む。

 (12:37)

20分ほど昼食休憩し
13時に出発





 51)常夜燈
 この汁付を過ぎると人家は途絶え、山間の国道を進む。
この先に難所である長野峠がある。









「みえ歴史街道」 リンク地図:(7)長野峠−(4)五百野
マップ (7)長野峠 (大山田村上阿波 〜 美里村平木)

写真左)
街道は不動橋を渡った
コーナーの道を直進する
かたちで谷へ降りて
また登るが、今は道は
存在しない。

写真右)
伊賀街道の標識
しかし、本当の街道の
山道はこんなものでは
なかった。


写真左)
ガードレールの切れ目、
左側の木立の中へ入る
のが伊賀街道

写真右)
伊賀街道と記された
石柱。
砂利道をどんどん進む。

 (13:38)



 街道らしい山道。

林道として使われて
いるのか、轍の跡が
ある。









 二股に分かれた道
 (13:49)

マップの25000分の1では、この道は林道として一本線で記載
されており、街道はちゃんと赤く表示されている。
しかし、分岐点は等高線と錯綜して判別できない。
赤い街道表示が右よりに曲がっているので、見当を付けて右側の
道を行く。






 まもなく道は荒れた状態になってきた。
先週の台風の傷跡だろう、石がくずれ道は小川になっている。
この石は街道の石だろうと見当を付け、荒れた道をさらに登る。

写真下)
登るにつれてだんだんものすごいことになってきた。
水の流れを避け、端を歩き、石をつたいながら登る。
頂上は見えているので、なんとか越えられるのでは、と期待しつつ
行くと、倒木が目立つようになってきた。
木をまたぎさらに進む。





















 

もうだめ。倒木が交差して進めないし、無理をしてこれを越えても
その向こうに道らしいものがまったく見えない。
このまま行くと遭難するかも。 きっと道を間違ったのに違いない。
(14:00)

 さきほどの分岐点へ引き返す。







分岐点を右側の道へ進む。
草に覆われ、幅も20cmしかない斜面の道が
しばらく続く。
とうとう、草に本格的に覆われ、地面も街道
の痕跡を残すような石畳もなく、傾斜している。
これはまずい。
長野峠、おそるべし。

しかも三重県出身の会社の同僚から、ここで
アベックが殺害された事件があり、「でる」らしい
と事前に聞いていたので、あきらめて元の場所
へ戻りトンネルで長野峠をくぐることにした。
国道に出たのが14:18。
結局、この回り道で1時間もロスしてしまった。
 万歩計で、国道から入ったときと再度戻った
ときの差は、1700歩だった。(万歩計の性能
で、実際はもっとあるはず)

国道を15分ほど歩いた
14:38にトンネルに
到着。

先ほどの山道の体験
と同僚の話を思い出し
嫌な感じがする。

こんなときは軍歌を
聞きながら行軍するに
限る。
ということで、突破。


 国道より見た長野峠

写真左下) 途中断念した長野峠道から国道へ繋がる出口。
地図には「犬塚作業道」とある。林道。
その道と国道に挟まれているのが、 44)犬塚
「犬がほえるので飼い主が首を切ったところ、大蛇が主人を
ねらっていた」という義犬の言い伝えがある。
これと同じ言い伝えが、粉川街道の犬鳴山にある。




















 マップ (6)長野宿 (美里村平木〜北長野)

 長野側の北岸に沿った国道を歩く。
歩道は狭いが、交通量は少ない。











川には倒木、
道には土砂崩れ。
台風の風水害の
大きさを実感する。

2004年は台風の
上陸が記録的だった。







 この先の、平木の集落へ続く道と国道が合流する地点に、マップ
では「平和バス停」と記載されているが、実際は「平木口」バス停。












 北長野の旧道と国道が分離する地点。
橋を渡るのが国道、左へ集落の中を抜けるのが街道。

 (15:32)

 写真左下) 北長野の街並み

 写真右下) 美里郵便局。 ここにも街道の証がある。




















 マップ (5)三郷 (美里村北長野 〜 三郷)

 北長野の集落を1kmほどで、また国道と合流する。

南長野川と長野川が合流するあたりの国道上で14時を
まわった。

栗原の手前で街道は国道から分かれるが、まだ先が長い。
分岐点がよく分からなかったので、そのまま国道を進む。
それにしても、長野峠で無駄にした1時間が痛い。

栗原バス停を16:18に過ぎる。
















 美里役場前のバス停を過ぎる。
そこから300mほど国道を行った足坂で、街道は南側の細い道へ
分かれる。











マップ (4)五百野
 (美里村足坂〜五百野)



 写真左) 31)御新燈と万度石









 万度石から300mほどにある高宮郵便局。













 (16:40) 西の空が夕焼けに染まりだした。
まだ、先は長い。

街道は五百野で国道から分かれ、中之郷へ大きく迂回するが、
日暮れに迫られ、そのまま国道を近道する。









 中之郷と五百野
の間の国道沿いに
あった石柱と説明板












下之郷のあたりで
17時になる。
道路標識には
「津 11km」とあった。
あと2時間強はかかる。








 国道から下之郷へ分かれる街道はそれほど遠回りでもないので、
入る。
26) 道標
  左  津
  右さんぐう 道
 







「みえ歴史街道」 リンク地図:  (3)片田・前田宿−(1)津
マップ (3)片田・前田宿 (津市片田久保町〜田井戸町)


写真左)
 国道との合流点


しばらく人家が続くが、
歩道幅の狭い道と
なる。






 人里は遠く、交通量は
増え、薄暗く見通しも
悪くなり、車はヘッド
ライトを点灯している。



ついに日没!
(17:27)






 片田町を過ぎたところで、橋を渡り住宅街の旧道を行く。
帰宅する人とすれ違うと、電池の切れかかったマグライトをデイパック
にぶらさげた自分の格好はいかにも怪しい。
「怪しいものじゃないですよ。」と声に出さずに言いながらすれ違う。

街道から国道へ合流した場所にローソン発見。
今晩のおつまみを買い、トイレ休憩。
18時を過ぎる。





 マップ (2)五軒町 (津市片田志袋町〜殿村)

 暗くてなにがなんだかわからない写真。
安濃川の手前で街道は右折する。
川辺には堤防が沿っていて、車道から川と反対側に家が並んでいる。
その一段下の道が街道だったのだが、暗くて入り損ね、歩道のない
車道を歩く。
車はまさかこんなところを人が歩いているとも思っていないので、
何台かは直前で驚いて急に避けたりした。 きわめて危なし。

マグライトの明かりはほとんど消えかかっている。



 マップ (1)津 (津市南河路 〜 西丸の内)

新町1丁目で、近鉄名古屋線「津新町駅」に辿り着く。
(19:47)
万歩計は、51,947歩

ここから電車に乗り、本日の宿のある津駅まで向かう。、







 近鉄 津駅到着 (20:07)

 さすがに足が痛い。夕食は部屋で摂ることにする。
 駅に隣接したケンタッキーフライドチキンで買い求める。

 駅から徒歩2,3分の 津グリーンホテル へチェックイン。
ここは大浴場があるのがミソ。
疲れた足をほぐしつつ、ゆったり手足を伸ばして湯に浸かり、
風呂上がりには、フライドチキンでビールを飲む。
津グリーンホテルの支払いは、宿泊費のみ、 ¥6,237

明日はここから神宮方面へ向かう。


翌日へつづく











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