第 17回 葛城古道  當麻町・磐城 - 五條市   2003年10月27日


 葛城古道は大和朝廷の成立以前より、金剛山・葛城山の東山麓に
あった道だが、正確な道筋を再現するにはあまりにも古い。
少なくとも近世まで道が残っていればよいが、近畿の南北を結ぶ道は
金剛山系の西側の高野街道などが担っており、今となっては葛城古道
を探るのは考古学のジャンルに入ってしまっている。
「葛城古道」というと今では名所を結んだ散策コースを指すのが通常で
今回は、散策コースをベースに、周囲の地形から古代の道筋を想像しな
がら歩く。
近鉄てくてくまっぷ(15) 葛城の道コース 

 左は高鴨神社。





本日は、葛城古道の南をらさらに行き、吉野川と交差する五條市までを
歩いた。
 近鉄南大阪線・磐城駅を8:00に出発する。
このあたりは東西に竹内街道−横大路があり、南北には長尾街道が
通っている。
 北葛城郡當麻町 長尾、南今市と長尾街道を南進する。
鍵型に曲がった古い住宅街の中に大磯虎女の旧跡がある。








−−−−説明板より−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大磯虎女の旧跡
 「和州葛下郡今市地蔵尊略縁起」によると、この地蔵院
は富士野の仇討で有名な曽我十郎祐成に愛された大磯の虎女
に始まります。建久4年(1193)、弟の五郎時致とともに
曽我兄弟は、苦節18年の末、父の仇を討ったものの討ち死に
し、空しく草葉の露と消えました。これを悲しんだ虎女は、
出家の後、この草庵にわび住まいし、十郎祐成の供養をしました。
当時大字南今市には、虎女が架けた「虎がはし」という橋が残さ
れています。
また、この地蔵院には虎石というのがあり、虎女の墓印であると
いい伝えられています。
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 北葛城郡北新庄町は奈良盆地の南西にあり、そこから東端の桜井市
方面を望む。
東へ12,3kmのところには三輪山があり、東南東へ10kmあたりには
甘樫丘など飛鳥時代の舞台がある。
 葛城は古代の有力豪族、葛城氏の勢力圏であり古墳郡が往時の
勢いを今に伝える。










 途中に出会うこんもり
とした丘はみな古墳に
思えてしまう。













中戸を抜け、鈴原で県道30号線に合流すると、大家を越え、新庄で
屋敷山公園の側を通る。
屋敷山古墳を中心に設けられた屋敷山公園。













 南藤井から西方面。あれも、向こうもこんもりとした丘が古墳に思えて
しまう。














 南藤井の交差点を西へ200mほど行き、南進する蛇行した道を
進む。
 刈り取りの終わった稲束が干してある。



蛇行道を山田で西進する。














 牛もいる。




 平岡で、極楽寺の前
を通り道なりに進む。









 笛吹を過ぎると御所市
へ小林から入る。
だんだんと金剛山の麓
を上って行く。












 駒形大重神社の参道を過ぎ、九品寺へ向かう。
平岡から一言主神社までは県道30号線の西側を通る。














 浄土宗 九品寺









手水鉢の上に次のような
説明書きがあった。

『この蛇口の水は異国の地で散華された戦友の御魂に捧げるために故山本輝男氏が裏山遠く探し出された湧き水です。』


 陶板を埋め込んだ石柱が道しるべ。

東を見ると向こうの山々がだんだん近づいてきて、
奈良盆地が南ですぼまってきているのが分かる。
















































御所市森脇

 古道の雰囲気のある小道を歩く。
皇統第2代 綏靖(すいぜい)天皇の
皇居跡。 葛城高岳宮。
日本書紀での名は、神渟名川耳尊
(カムヌナカワミミ)。

 ここから4km東の国見山の麓には
日本武尊白鳥陵がある。






 葛城一言主(ひとことぬし)神社
 御祭神 一言主大神 幼武尊(ワカタケルノミコト)

一言主大神は古事記の雄略天皇(第21代)の箇所で出てくる。
雄略天皇は長谷の朝倉宮に御所を置いた。
(この地は長谷からは14kmほどの場所にある)
ある日、紅い紐付きの青摺りのそろいの衣服を百官全員に与えて葛城山
に登った。 そのとき向かいの山の尾根に天皇と同様の行列を見る。
『わが国には自分をおいて王(きみ)はないものを、誰の行列だ』と問えば
向こうも同様に応え、官人たちが弓に矢をつがえると、向こうの官人も同じ
ようにする。天皇が『名を名乗れ』と問えば、『吾(あれ)先に問はえき。
故、吾先に名告りをせむ。吾(あ)は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)
も一言、言ひ離つ神、葛城の一言主大神ぞ』と答える。



天皇は畏れて、大刀、弓を収めて、百官に与えた
そろいの衣服を脱がせて一言主大神に献上した。
一言主大神は手を打って喜びその捧げ物を受け、
雄略天皇の帰りには長谷まで見送った。


 奈良盆地は、青垣と呼ばれる周囲の山々に囲まれ
ているが、その裾野に古代の豪族達は勢力圏を構
えた。 盆地の東山麓、山辺の道には物部氏の拠点
があり、その南には三輪山があり、その南東側に
長谷がある。
「ヤマト」の語源には、「山のところ」の意とする説が
あるが、奈良から遠く離れた場所、たとえば中国で
「どこに住まいがあるのか」と問われたときに「山の
ところ」と応えたとしても不思議ではない。
後に都は盆地の平坦な場所に作られたが、藤原京
以前は、山や丘に接して御所があった。




葛城一言主神社を東へ向かい県道30号線を直交し、豊田へ南進する。
古い街並みがよく保存された地域がつづく。
 (11:50)













ここだけ木造のアーケードがあり、
柿を無人販売で買う。
4個で200円だが、すごくおいしい
柿だった。
















 アーケードの南にある葛城酒造。



















 文化4年の銘のある常夜燈

南へ真っ直ぐ続く街道風情の残る
街並み

長柄、佐田と続く。














飛び出し注意の看板。
「危!!」がおもしろい。


並んだ常夜燈。
どちらかが移設されたの
だろうか。








 南郷へ入る。

住吉神社

そこを過ぎるとまた山側へ
向かい、県道30号線と
合流。









 北窪で左の道を進む。















 葛城の道歴史文化館
この日は休館日だった。 残念。














 そのすぐそばに高鴨神社がある。
京都の下賀茂、上賀茂神社のあの賀茂社の本家とされている。
役小角は舒明6年(634)に高鴨神に奉仕する高賀茂朝臣家に
生まれた。
ここは金剛山(標高1112m)の東山麓であり、2.5km真西には
金剛山ロープウェイ・金剛山駅がある。


(13:20)






















−−−−−−−−−−説明板より−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 高鴨神社

御祭神 味須岐高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)
    下照姫命  天稚彦命

由緒 本社は古代豪族の鴨族が発祥の地に奉斎した神社である。
鴨一族は全国各地に開拓移住して、郡名、郷名に加茂の名を伝え、
多数の加茂社を祀ったが、本社はそれらの総社にあたる名神大社である。
神話においては国譲りに際し、御祭神の三柱ともにご活躍なされ、
また神武天皇の大和平定にも、八咫烏として武勲をたてられた御神徳
高き神にてまします。
御本殿は極彩色の彫刻をもつ室町時代の建築で、県下の神社建築の
中でもっともすぐれ、国の重要文化財に指定されている。
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 葛城の道、散策コースでは高鴨神社から風の森バス停に向かい
駅へ戻るが、まだ14時前。そこから吉野川沿いの町、五條市へ向かう。

葛城南小学校
コンパクトな校舎、運動場。 風情のある校舎の中では授業が行われて
いた。なかなかいい感じの学校。

のどかな街並みを過ぎて、東佐見で国道24号線に入る。
金剛山が迫り、奈良盆地の南の隘路だが、南北に直進する道はこれ以外
にも、市道261号線があった。五條市までの間に神社もあり、後日、PC上で
プロアトラス地図を見るとどうやら261号線の方が街道らしい気がする。




<五條市>

 15時ごろ五條市中心部へ到着。
高鴨神社から24号線沿いに歩いて1時間程度
だった。

国道から南へつづく商店街。懐かしい雰囲気に
ひかれて入っていく。
平日だが閉まったままの店が並び、さびれた感じ
がする。














本陣交差点の南東から
本町へ向かう。
雰囲気のある街並みが
続く。












書状集箱
郵便制度初期
のものを復元。
現役のポストだ。
































家並みのすぐ南には
吉野川があり、支流に
架かる橋が街並みの中
にある。












吉野川へ伸びる古い高架橋。
途中で工事が止まっている。














金剛乃湯
ホテルに併設された温泉。

ウォーキング&温泉
という黄金のパターンで
本日の旅をしめくる。












 JR和歌山線・大和二見駅から橋本駅へ戻る。
しかし、和歌山線は1時間に1本くらいの運行本数しかないので、
金剛乃湯で時間を調節して駅へ向かった。 (16:53)

 本日の歩行は、38、362歩 (1499.2Kcal)だった。









 橋本からは南海高野線で帰る。
 (17:21)

















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